白金高輪の路地裏に佇む、ミシュランにも掲載された鮨店がある。寿司の匠の技が光る一品一品は、舌を虜にする逸品ぞろい。オーナー自らが握る握りは、曲がりなりにも他を圧倒する芸術品だ。
シャリは酢の香りが控えめで、素朴な米の風味を堪能できる。そのシャリに合わせられるネタは、極上の魚介を熟成させたものばかり。例えば愛媛県産の伊佐木は1週間寝かされ、大阪の鳥貝は漁師から直送される。クセになる旨味と繊細な味わいが同居する。
店内は8席のみのカウンター。大将の人柄は明るく面倒見が良い。ユーモアを交えながら、一品ごとに食材の由来を語る。好奇心満点の会話が楽しめるのも魅力だ。予約は取りにくいが、一度訪れれば虜になるに違いない。