博物館 • 日本、〒154-0016 東京都世田谷区弦巻２丁目５−１
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向井潤吉の作品に魅了されたきっかけは、ある百貨店のギャラリーで偶然目にした茅葺き屋根の古民家の油絵だった。その情景に心を奪われ、以来あちこちで彼の作品を探すようになった。
世田谷の静かな住宅街に佇む向井潤吉アトリエ館を訪れると、深い歴史の重みを感じさせる蔵造りの建物が私を迎えてくれる。内部には立派な梁が広がり、かつてこの場所で画家が創作に没頭した面影が偲ばれる。
展示されている向井潤吉の油絵は、草葺き屋根の古民家を題材にした作品ばかり。それらは寂れゆく日本の原風景を鮮やかに描き出しており、ひと際際立った存在感を放っている。まるで絵の中に分け入り、その情景に酔いしれているかのようだ。
館内では作品の撮影が制限されているが、中庭の撮影は可能だ。茅葺き屋根の離れ座敷を思わせる建物は、向井潤吉の世界観にぴったりと調和している。つくづく、この空間がいかに彼の作風に影響を与えたかを実感させられる。
入場料が200円(65歳以上100円)と手頃なだけに、都内でも貴重な存在と言えよう。アトリエ館に足を運べば、きっと日本の原風景への懐かしさと美しさに心酔することだろう。
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