東京の中心部、赤坂にひっそりと佇む武家屋敷の門。この「志の門」は、江戸時代の老中・本多忠民が所有していた邸宅の表門です。1862年の大火後に再建されたこの門は、重要文化財に指定されるほど貴重な存在となっています。
威風堂々とした木造建築が目を引きます。黒漆喰の塀に囲まれた空間に、太い柱と化粧梁が伝統の技を感じさせます。控えめながらも端正な造りは、当時の武家の品格と気品を今に伝えています。
門の細部には、長い年月を経た風合いが宿ります。苔むした瓦や錆びた金物が、時の流れを物語っています。しかし、それでいてきちんと手入れされた佇まいからは、時を超えた誇りと矜持が伝わってきます。
今では、志の門は山脇学園という女子校の敷地内にあります。緑の木々に囲まれた静かな環境は、門の格調高い姿をより一層引き立てています。学園の生徒たちにとっても、毎日この門を通り過ぎることは誇りに思える光景でしょう。
武家の邸宅だけでなく、江戸の匂いを残す街並みも周囲に残されています。赤坂を歩けば、かつての風情が色濃く残る路地裏に出合えるかもしれません。ぜひ足を運んで、たたずむ志の門の風格と歴史に触れてみてはいかがでしょうか。
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