飛騨高山の街を見下ろす城山に立つ高山城跡。豊臣時代から江戸時代中期まで飛騨を統治した高山藩の中心地として栄えた、この地の歴史を感じる貴重なスポットです。金森長近が築いたこの平山城は、現在の高山の繁栄の礎となった重要な遺構です。
城跡へ向かう道は、最初は遊歩道のような緩やかな坂道ですが、途中から本格的な登山道へと変わります。ゆっくり歩いて往復1時間ほどの行程ですが、その間に昔ながらの石垣や堀の跡を見ることができます。天守こそありませんが、飛騨の山城ならではの雰囲気を十分に味わえます。
本丸跡に到着すると、高山の街並みを一望できる絶景が広がります。晴れた日には北アルプスまで見渡せる、まさに絶景ポイントです。自然豊かな環境のため、熊よけの鐘が設置されているなど、ちょっとしたアドベンチャー感も味わえます。
城跡の一部は公園として整備され、地元の方々の憩いの場となっています。観光客で賑わう高山陣屋周辺とは対照的に、ここではゆったりとした時間が流れています。朝のジョギングコースとしても人気があるようです。
高山の主要観光地からはやや外れていますが、歴史好きや城マニアにとっては見逃せないスポットです。ただし、昭和44年に築かれた石垣など、一部に後世のadditionsがあることには注意が必要です。
高山城跡は、観光地としての喧騒から少し離れた場所にありますが、それゆえに飛騨の歴史と自然を静かに感じられる貴重なスポットです。高山を訪れた際は、ぜひ足を延ばして、この隠れた歴史の宝庫を探訪してみてはいかがでしょうか。