高畑町の奈良教育大学構内に佇む古墳。それが吉備塚古墳です。直径約25メートルの古墳は、かつて吉備真備の墓と伝えられてきました。しかし平成14年の発掘調査により、この古墳が6世紀にまで遡る古墳時代後期のものであることが判明。5世紀後半の三累環頭大刀なども出土しており、古代の息吹を色濃く宿しています。
かつて吉備真備はこの地を守り抜いた英雄と言われています。木々が生い茂る古墳の周りには、慰霊碑が建てられており、静かな敬意が込められています。落ち着いた雰囲気の中で、古代の偉人に思いを馳せることができるでしょう。
大学の敷地内にあるため、見学には事前の申請が必要です。しかし、一度許可さえ得られれば、穏やかな空気に包まれた貴重な場所で、心ゆくまで歴史と向き合うことができます。木々にも呪いの言い伝えがあり、不思議な魅力に満ちています。
吉備塚古墳は、古代の香り漂う島です。そこに立つと、時の流れを忘れ、英雄たちの足跡を感じられるはずです。古代への扉が今も静かに開かれています。
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