長崎市の中心地にあり、かつて長崎藩士の屋敷があった場所に建つ「川口古美術 城山店」。重厚な佇まいと優美な意匠が、来館者を江戸時代の世界に誘います。店内に足を踏み入れると、漆器や絵画、書跡などの古美術品が並び、日本文化の粋が凝縮されています。
店の名物は、江戸時代に制作された漆器です。木地からの立ち上がりが見事な蒔絵蒟醤手付竹籠や、伝世品の根付かぶと飾り櫃など、愛らしい作品が揃っています。また、明治期の書家・東郷平八郎の書簡なども展示されており、日本の古典文化に触れられます。
金工品のコーナーも見逃せません。燭台や酌などの酒器に至るまで、純金製品の細工の精緻さは息をのむばかり。代表的な作品として、純金の南蛮焼き物のように見える金置物もあり、職人の巧みな技が窺えます。
古美術品に対する思いが、館内のあらゆるところから滲み出ています。日本文化の香り高い空間に身を置けば、きっと新たな発見があるはずです。時を超えた美の粋を、存分にご堪能ください。