八坂神社の喧騒から一転、静寂な森の中に佇む長楽寺。この時宗のお寺は805年に最澄(伝教大師)によって創建され、平家物語にも登場する歴史ある寺院です。参道を進むとまるで時が止まったかのような境内が広がり、建物から庭園に至るまで歴史の重みを感じさせます。
平清盛の娘で安徳天皇の母である建礼門院徳子が、平家滅亡後にこの長楽寺で出家したと言われています。本堂横には徳子の墓「建礼門院御塔」があり、彼女の降ろした髪が埋葬されているそうです。平家物語の世界に思いを馳せながら、御賽銭を手向けてはいかがでしょうか。
足利義政ゆかりの池泉観賞式庭園は、時折工事のため拝観できない場合があります。しかし、それでも相阿弥の築による平安の滝など、風情ある庭園の姿を垣間見ることができます。また、重要文化財の仏像なども収蔵庫で特別公開されていて、長楽寺の歴史の深さを感じさせてくれます。
長楽寺へは八坂神社の南楼門前から坂道を上がってお参りします。拝観料は600円程度です。春の新緑、秋の紅葉など、四季折々の景色を楽しめますが、混雑を避けるならやや肌寒い時期がおすすめかもしれません。静かに長楽寺の魅力に浸れる良い機会となるでしょう。
Provided by Google